<国際武学研究会について>

【国際武学研究会(IMSRI = International Martial Studies Research Institute)】とは?

国際武学研究会とは武術の文化的、考古学的、人類学的な意味と価値を学習する会であり、国内での兵法武学研究会の活動および国内外と問わず文化的・歴史的な価値観を武術を通じて提示できる指導者の方々を招き、講習会/稽古会を開催する研究機関であります。

【国際武学研究会】のこころみ

国際武学研究会では世界中の各文化圏から発生した武術を通じて人と人が争うことの意味と其の形態を理解し、異なる文化圏での争い方と其の治め方、各文化圏における闘争技術と兵法、闘争や戦さへ向けての異なる稽古方法や取り組み方を学んでいき、武術の文化的な価値、各文化圏におけるアイデンティティーとしての武術の価値、異なる文化圏における武術の歴史的な意味や人の在り方などを実際の稽古研究を通じて学んで参ります。

【兵法武学研究会】の活動

兵法武学研究会とは国際武学研究会(IMSRI)の組織会を母体とし、代表の光岡英稔を講師として兵法・武術を学ぶ稽古研究会であります。

現在は主に東南アジア武術をテーマとして、インドネシアのシラット、フィリピンのカリのベースとなるような稽古を行っています。
その他に中国武術、日本武術の型や動き方、技術技法を用いての稽古方法なども紹介しております。

● 【兵法武学研究会】のテーマ、なぜ、いまの時代に兵法と武を学ぶための研究が必要なのか?

「なぜ、人は争い続けるのか!?」

「人は改悛を繰り返しながらもなぜ幾度となく他と争ってしまうのか?」

その闘争の原理を生身で感じられるのが兵法武学研究会で学ぶ武術・武道であります。
争いや戦さの原理を知るために、人は争いや戦さの経験を纏め、争いの形態を明らかにし、型、式、技術・技法、動き方へと収め、繰り返さぬための改悛の意も含めて戦さの経験と共に其の殺傷の技法を後世に伝え遺して来たと考えられます。

「なぜ、人は争うのか?」

この問いに対する答えを 『本能的に保守する能力があるから』 『食料やテリトリーのために』 『人口が増えすぎた故に』 などと理屈で理解したとしても、個々の内面から衝動的に発生する“相手を淘汰したくなる気持ち”“相手を殺めたり倒したくなる心境”が何故そこに発生するのかの答えにはなりません。そのことを身体から生じる行いや動きを通じて稽古し、学習し、内省して参ります。

生命が何処から来て何処へ向かおうとしているか等の膨大な問いに対する答えは誰もが知らないかも知れませんが、現存する生命が此処まで生き残って来たこと自体が生命(いのち)が其処にあることの証明になっています。

生命の歴史は争いと保種の歴史に始まり、人の歴史も同じく保種と争いで築かれてきました。
この争いの歴史を生き残った勝者によって歴史は語られ、葬り去られた敗者は語る事なく、残された者達の間で生じる和解にて新たな歴史が築かれてきました。
その裡では生活の基盤となる文化が無自覚にも築かれていき、私たちは母国語を身に付けるように自身の文化を身に付けています。
そして自然と身に付けていく母国語や地域文化のように、また自然と変わり行く歴史の当事者のように私たちは無自覚に“人間の過去”を生きております。
それを自然と呼んでいる者が殆んどでしょうし、かつて私も其のことの整理は今ほどついておりませんでしたし、未だに整理できてないことも只々あますが、周囲に其のことを語る人が本当に居ませんでした。

文化とは其の文化を生きる当事者が最も無自覚であり、歴史とは其の時代を生きた当事者から最も離れた者に語られることが多く、よって其の本性を見いだすことは極めて難しいことです。
しかし、過去の人が命懸けで遺して来た武術の技術技法、型や式から入り、今に至って続いている人の生命と身体を、人の歴史と文化を自らの内面から見いだすことなら可能かも知れません。

外在する文化、歴史を通じて自分という人を知って行く、其処には自身にだけ明らかにされて来る “自他の関係から始まる実践的行為の原点” があります。
この内省的体験を通じて自身を知り行くことにこそ武術、武道の真骨頂があり、人間を知って行く上では欠かせない人の争いと闘争の歴史も個々人の内省経験から全て始まります。

争いや戦さが自分の中で如何に始まり、如何に行われ、如何に終りを迎えるのか、その内省された答えに闘争と戦さの由来と“戦争・闘争の原理”があります。
また、その“戦争や闘争の原理”は、其々の時代と文化における武術観が内省されることから更に深く理解されて行きます。

兵法とは如何に戦さをするかだけではなく『如何に戦さが始まるか』を解き明かすことにあり、更には 『如何に戦さに挑み、如何に戦さを治めれば良いか』 を知り行くことに兵法の本当の価値があります。

【兵法武学研究会】は

・ 古の時代から伝わる兵法を知ること

・ 古の武を学ぶこと

・ 様々な文化を身体を通じて習うこと

・ 人の歴史を身体を通じて知ること

・古の身体観を内省すること

などの意味や価値を通じて、自分自身に内省される意味と価値を少しでも私たちが見出せて行ければとの思いもあり開始させていただきました。

武術、武道、人間の闘争の歴史、争いの歴史と文化の発生を通じて個々が自らのことを知って行く!その様な試みをもとに【国際武学研究会】が主催する『兵法武学研究会』および其の他の活動をさせていただいております。

国際武学研究会(IMSRI)
兵法武学研究会

代表  光岡 英稔

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【代表プロフィール】

光岡英稔 (みつおか ひでとし)

日本で生まれるも幼少期からアメリカに移住し小学時代をカリフォルニアの山奥で過ごす。中学時代に日本へ帰国してから多くの武道・武術を学び10年間ハワイで武術指導を行う。

武歴としては中学生のころ最初に和道流の道場に入り、中学の部活で柔道も習う。高校に入るころには空手、柔道では飽き足らず中国武術(形意拳、太極拳、八卦掌、八極拳)、日本の古武道(大東流合気柔術、竹内流、新陰流)も始める。
19歳のころハワイに渡って武術の指導と更なる探究を続ける。その時期に有名/無名の武術家、武道家の多くと交流し、東南アジア武術、インドネシア武術(シラット)やフィリピン武術(カリ、エスクリマ、アーニス)やブラジリアン武術(カポエラ、ブラジリアン柔術)、地元ハワイのカジュケンボーやケンポーカラテ、琉球拳法、琉球空手などを知り、これらの遣い手と交流し、武術に対する経験と見識を深めて行く。
2001年に帰国後、2003年2月、意拳の創始者、王向斎の高弟であった韓星橋先師(2004年、没)と、その四男である韓競辰老師(韓氏意拳創始者)に出会い、同年8月に拝師の誘いを受け韓星橋老師が御存命中、日本人としては最初で最後の韓家の入室弟子となる。
現在、日本における韓氏意拳に関わる指導・会運営の一切を任されている。

また2012年から新たな試みとして『古の身体観と原初的な武の探究』を深めんが為に、国際武学研究会(I.M.S.R.I.International martial studies research institute)を発足。国際武学研究会(I.M.S.R.I)主催の活動 「兵法武学研究会」 では伝統武術における動き方/型/所作や伝統的な武具の用い方などから、武術・武道の発生当初にあったであろう原初的な武術観、古の身体観の研究を進めている。

共著に甲野善紀氏との『 武学探究 - その真を求めて 』『 武学探究 巻之二 』(冬弓舎)、内田樹氏との『 荒天の武学 』(集英社新書)がある。